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いまオーダーメイドしないと30年後に後悔しますよ

      2014/11/21


いまオーダーメイドしないと30年後に後悔しますよ

あなたはアクセサリーのオーダーメイドを依頼したことはありますか?

あなたが女性ならおそらく婚約指輪や
結婚指輪の製作依頼をしたことがあるかもしれません。

あなたが男性なら、なかなかオーダーメイドの経験をされた方は
少ないのではないかと思います。

ただ、残念なことにあなたのオーダーメイドの経験の有無に関係なく、
確実に有能で経験豊富な日本の宝飾職人は減っていきます。

  それはどういうことか?

といいますと。。。

かつてアクセサリーといえばいわゆる宝石(ジュエリー)を差すものでした。

そのため、当時のショッピングの流れは
最近のアクセサリー購入方法とはちょいとちがいました。

いちばんの贅沢な買い方はどんな方法だと思いますか?

それはまず原石を選ぶところから始めることでした。

宝石商の持ち込んできたまだカットもされていない原石を見て
こんなカットにして欲しい!と伝えます。

次に贅沢な買い方は、すでにカットはされているけれども
同じように石だけが並んでいる中から「コレがいい!」と選ぶんです。

なんだか今では「ルパン」のアニメなどでしか見たことのない光景ですが、
昭和47年生まれの自分からみたおばあちゃんの世代の方々なら
ごくごく当たり前のことだったと思います。

試しに聞いてみてください。

ま、とにかく、まずは自分の直感で気に入った石を選んだわけです。

次にその石をペンダントにするのか?指輪にするのか?

身に着け方を選ぶんですね!

その後でようやく台座のデザインを考えたり、大体のイメージを伝えたりします。

やっと数週間から数ヶ月でお手元に頼んだアクセサリーが完成してくる。

といった流れでありました。

これ、贅沢ですよね、やっぱり。
でもこれが当たり前の買い方だったんですね。

30年くらい前までは。。。。

この時代には、買い物終盤に登場する台座を製作する宝飾職人が
大いに腕を競い合う時代だったわけです。

ところが、、、それが大きく変わります。

だってみなさん、今のアクセサリーってどうやって買います?

そう、、「  選ぶだけ  」、、、、ですよね。

何を当たり前のことを言ってるんだと言われそうですけど、、
この買い方はここ数十年の巨大流通網の発展が成せる業なんですよ。

世界的有名ブランドなら、文字通り世界中どこの街でも、
空港でもデパートでも同じモノが買えますよね。

国内に限れば、もっともっと安価で買いやすい価格の
ジュエリーが大手宝石チェーンで大量に売られていますよね。

これ、もんのすご~~~~く、便利になったんですけど、、、

もんのすご~~~~~~く安易にもなったというわけなんです。

だって、そうですよね。
コンビニでお菓子でも選ぶ感覚となんら変わらないわけです。

昔は

あらかじめ自分の欲しいものをイメージしておいて、
それにあった宝石を探し出す。

さらにあてはめる台座までかんがえて、、、

ようやく手に入るのはようやく数ヵ月後、

支払い(当時は月賦が普通でした)が終わるのは数年後です。

どうですかこの差、、、

で、話を元にもどすと、

「今どうなってるの、その当時の職人さんは?」

というワケです。

考えてもみてください、
みんなが宝石商からしかアクセサリーを買えなかった時代と
お金さえあればすぐに「それください」で手に入る時代。

大量生産は世界中でもっとも多く行われますし、
もっとも人件費の安い場所で行われます。

ということは国内の職人に仕事を発注する人はもういないワケです。

だから、みんな廃業です。

日本の宝飾のメッカは何処か?ご存知ですか?
そう、上野、御徒町が日本随一の卸問屋街なんですね、

最盛期と呼ばれた30、40年ほど前には、
何百万円もする宝石をちりばめた指輪やネックレスが
飛ぶように売れていたそうです。

ところが、いまやこの宝石屋さん界隈は風前の灯です。

正直、どこを見てもお客さんがいません。
店員さんの方が多い感じ。

そうすると何が起きているかといえば、

オーダーメイドでジュエリーを作るという体験も
激減の一途をたどることになった訳です。

ましてや30~40万円という宝飾指輪のオーダーメイドと違い、
比較的単価の安いシルバーアクセサリーといえば、
まず職人が嫌う手仕事になっていったのです。

数年前のメンズシルバーアクセサリーの流行により
若手デザイナーたちが多く生まれもしましたが、
経験の薄さや流行の収束により苦戦を強いられている状況です。

このような歴史を振り返ると、やはり30年後には
オーダーメイドを依頼したくても
受け付けてくれる職人さんは消えてしまうだろう

だから、、、、

「いまオーダーメイドしないと30年後には後悔しますよ」

というお話でございました!!

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